ライフゲーム

用語説明

セル・オートマン
セル・オートマトンとは有限次元の格子と単純な規則からなる、計算モデルである。非常に単純化されたモデルであるが、生命現象、結晶の成長、乱流といった複雑な自然現象を模した、驚くほどに豊かな結果を与えてくれる。なお、"セル"は「小部屋」、"オートマトン"は「からくり人形」を意味する。

セル・オートマトンを発明したのはジョン・フォン・ノイマンである。彼は自己複製機械研究の過程で、2次元セル・オートマトンを考案した。このセル・オートマトンでは近傍として隣接する4つのセルのみ(ノイマン近傍)を考慮し、1つのセルあたり29の内部状態を持っている。このモデルで彼は自己複製機械として動作するパターンをデザインし、それが無限に自己複製を繰り返すことを数学的に証明した。

1970年代に入り、ライフゲームと呼ばれる2状態の2次元セル・オートマトンが初期のコンピュータコミュニティにおいて人気を博した。これはジョン・コンウェイが考案したもので、マーチン・ガードナーが『サイエンティフィック アメリカ』に寄稿した記事によって有名になった。

1980年代に入り、スティーブン・ウルフラム(Stephen Wolfram)の革新的研究により、セル・オートマトンの数理科学的基礎が明らかになってきた。ウルフラムはあらゆる1次元のセル・オートマトンの時間発展の仕方を調べ上げ、以下の4つのクラスに分類した。

クラス1 - セル全体が同じ状態になり、変化しなくなる。:秩序状態
クラス2 - セルの時間発展につれ、最終的に周期的な変化になる。:秩序状態
クラス3 - セル全体がランダムな変化を続ける。:カオス状態
クラス4 - 規則的なパターンとランダムなパターンが共存し、複雑なパターンを形成する。

秩序状態であるクラス1、クラス2は新しい変化を生み出さない、いわば死んだ世界である。カオス状態であるクラス3はランダムすぎて、意味のある情報を生み出すことができない。ウルフラムは秩序状態とカオス状態の間にあるクラス4の様な状態こそが、生命現象などの現実世界で見られる複雑な現象を引き起こす源だと考えた。この研究により、複雑系と呼ばれる新しい科学分野の基盤が確立した。

上記 ウィキペディア より抜粋



「パターン1、クラス1よりクラス2への移行を認めます」
「パターン2、クラス1よりクラス3への移行を認めます」
「最終段階。クラス2とクラス3のクロスブリードにより、クラス4への移行を開始します」
「…あなたはわたしが正しいと思って?」
「一つのやり方であることは事実です。かつてのわたしも、現在のわたしも、同じ結論に達した。
  生まれ出でたものは、生き続けなければならない。あなたも含めて、ね」
 
  〜いずこかで交わされた男女の会話〜
 
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○パターン1:アルターライン・ロストエデンのこと。
○パターン2:アルターライン・平安京物怪録世界のこと。
○パターン3:アルターライン・魔街のこと。
○パターン4:ダブルクロス本編のこと。

ロストエデン:TRANSIMEの一つ。元々は実社会の構造に基づいて、大規模災害や感染症のモデリングをするために作成された人工都市のことであったが、人類学にこれが応用され、人類のたどる歴史についてシュミレートするためのものとして作成されたプログラム。時代公証が中世(過去)に設定されているのはそのためである。しかし、人口の発展と衰退に関してのシュミレート結果をとることは出来たが、文明的進歩に関してのシュミレートを取ることが出来ず、用意されていたいくつかのセル(と呼ばれる異なるサーバー)の交流を試みても結果としては同じ、死亡した秩序状態が保たれるだけであった。
       
平安京物怪録:実在するどこかの歴史の一つ。「鬼」「物の怪」と呼ばれる異分子が、一定周期により増減を繰り返すことにより(天候の周期に影響されている)周期的な異分子と人類の勢力交代が行われ、長期的に見た場合、ロストエデンと同様、死亡した秩序状態が保たれている世界。

魔街:上記2パターンの打破のため、予測不可能なカオス状態を作り出すために存在する街。

ダブルクロス:人類のパターンが、平安京物怪録世界より進歩していないと、ロストエデンプロジェクトにより気づいた科学者が作り出そうとしている世界。彼はオーヴァード(ジャーム)というカオス要素を世界に取り込むことで、世界の変容と人類の進化・発展が促されると信じている。
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ファーストステージ:平安時代〜魔星、堕つ〜

  実にまさかりの秋の園 たかきいやしき中垣の、
  へだておみえず白菊の、花には露の光さへ、
  清らをそへて秋ごとの、友と千年をちぎらばや、
  御代をや千代とちぎらばや。

 菊の花と夜の月。
  それを見ながら、一人の男と一人の女が酒を飲んでいる。
  男はくつろいだ狩衣姿ながら、高い身分が知れる物腰である。
  女は水干姿、美しい白拍子であった。
  二人で酒を飲んでいる。
  女が、ふと興を覚えたか、手に扇を持ち、素足で庭に降り立つと、歌を口ずさみながら舞いはじめる。
  初霜に見まがう白菊の庭、降り注ぐ白銀の月光、ゆるゆると舞う白拍子。
  すべては夢幻のごとくに白く、白く。
  ただ白一色に染まっていく…。
 
*あらすじ*
京の都に隕石が飛来する。
陰陽師たちに凶星の占と判断されたソレが飛来して後、京の都には、これまで夜しか人前に姿を現してしてこなかった鬼らが白昼も闊歩し始める。
PCたちは五条権大納言の依頼により、白菊という女性の護衛と、怪異の現況を調査を行う事になる。

*真相*
隕石により、地球外のウィルス〜レネゲイドウィルス〜が京に持ち込まれたことが怪異の原因である。
隕石は空中で8つに分れ、珠となって都に散った。なお、隕石は賢者の石のオリジナルである。
この珠を持つものは、異能の中でも更に際立って異なる力を発揮する。すなわち、Dロイスの
0.賢者の石
1.起原種
3.対抗種
5.戦闘用人格
6.特権階級
7.生還者
9.伝承者
11.古代種
である。
なお、2.変異種 4.実験体 8.複製体 10.秘密兵器はこの時点では発現していない。これらは後世、人が作り出したDロイスである。

**NPCソース**
平 将門:キュマイラ・ソラリス。現在の京と貴族のあり方に疑問を抱き、東国に新しい国を作ろうとしている理想家。27歳。15歳のとき、つてを頼って上京したが、官位は上がらず、又都の貴族達の醜い面、病人のうち捨てられる鳥部野などに強い疑問を抱く。故郷に帰ろうとしたところ、叔父たちにすべての財産を奪われており、暗殺されかける。これによって故郷をも追われた将門は、自らの力で自らの望む国を作るべく、挙兵する。
菅原道真:ブラックドック・ピュアブリード。帝と都を憎む怨霊。将門を利用して都を滅ぼそうとする。彼が登場するのは将門がジャームにならなかったときのみ。

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セカンドステージ:現代〜楽園、堕つ〜

「ねーねー、知ってる?あのゲーム、今度家庭用に移植するらしいよ〜」
「マジ!?でも、パソコンだとなあ、MMOってスペック高いんだろ?FFなんか、自作じゃねえと遊べないくらいだっていうし…」
「それがさあ、ノートや携帯でもでも遊べるらしいよ!買う価値めっちゃありじゃない!」

*あらすじ*
ゲーム業界に激震をもたらしたMMOロストエデン。
政府がR指定にとどまらず、全面的禁止をもたらしたことから逆に爆発的に知名度が高まり、若者を中心に使用者が続出。社会問題にまで発展する。
PC達はゲーム内に取り込まれ、そのまま出ることが出来なくなったものたち。
ゲームからの脱出のために協力し合い、ゲームのクリアを目指す。

*真相*
ゲームクリアの条件は、カンストまでLVか能力値を上げること。
カンストするとラスボスステージへ招待され、それに応じるとクリア用サーバーにPCが強制移行される。
移行後すべての能力値はゼロに戻る。
強制移行後のステージは「魔都」。
ラスボスステージとNPC達が言っているのは嘘。
ロストエデンは、一般人のPC達を魔都に適正する人種に作り替えるための大がかりなシュミレーターである。

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サードステージ:魔都〜堕ちたるものたちの凱歌〜

*あらすじ*
そこは世界のどこかにある場所。
すべてのものが異能を持ち、混沌とした中、日々抗争を続ける。
そこは現代によみがえった闘技場。
生き延びろ。
それだけがお前に明日を約束する。

*真相*
この街を抜け出す手段の一つはジャーム化することである。
ジャーム化した場合、PCにNPCが接触し、いずれかの組織加入を勧誘する。
断った場合、戦闘となる。

ジャーム化しないでこの街を抜け出す手段のもう一つとして、ファースト・セカンド・サードを通じて関与してくるNPC達が、世界に何らかの関与を行っているとPCが判断し、正しいNPCにそれを明かした場合、ファイナルステージへの門が開くという手段がある。

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ファイナルステージ:〜セル・オートマン〜

「パターン1、クラス1よりクラス2への移行を認めます」
「パターン2、クラス1よりクラス3への移行を認めます」
「最終段階。クラス2とクラス3のクロスブリードにより、クラス4への移行を開始します」
「…あなたはわたしが正しいと思って?」
「一つのやり方であることは事実です。かつてのわたしも、現在のわたしも、同じ結論に達した。
  生まれ出でたものは、生き続けなければならない。あなたも含めて、ね。
  あなたがたはどう思いますか?」
 
  振り返った男女に、PC達は自由に質問することが出来る。
 
  男女は人類の進化パターンそのものを変化させることによって、破滅を迎えるとシュミレートされた未来を変えようと模索している。
  男は五条権大納言、女は白菊。
  男は隕石に触れた事により、転生時の記憶すべてを持ち続ける事となり、女は隕石に触れたことにより、その時の姿のまま生き続ける事になった。

  PC達は、すべての世界を知った後、自分たちがどのように生きていくか自由に選択できる。
  以下に予測される選択の例を挙げるが、これ以外の選択がなされた場合はGMの判断に一任される。

1. すべてを忘れ、ステージ1〜3のうちいずれかに戻る。
 PCが希望すれば、すべての記憶を抹消して、「普通の」オーヴァードとして、そのPCが生きることを望むステージで生きていくことができる。PCは彼の求める非日常の日常へ戻っていくことだろう。
2.ここに残り、二人の協力者となる。
 PCが二人の協力者となり、破滅の予言を回避しようとするならば、二人は新しい協力者を心から歓迎するだろう。
3.新しい未知の世界へ旅立つ
 未知の世界、つまりサプリメントで新設された世界へ旅立つ選択もありうる。
 二人の研究の中には、時空転送も含まれているので、PCがこれを希望した場合は別の世界へキャラクターデータを持ち越し、新しい冒険を始めることも出来るだろう。
   

2007.2.19up

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