力をください。
僕に力を。
信頼していた人に裏切られ、呆然と立ちすくむ僕の前に、彼女は立ち上がった。
その背には世界のすべてを背負う覚悟を決めて、抜き身の剣を放ち。
命であることにいかほどの違いもないと、高らかに宣言し、この地の女神たることを自ら選択し宣言したあなた。
その輝きは、僕が求め続けて憧れ続けていた命の輝き、そのもので。
ああ。
けれど、その代償として、あなたは永劫に世界を支える一つの柱としてあらねばならない。
それはすべてあなた自身が選択したことで、僕には何も言うことの出来ないことだけれど。
神様。
もし、僕の祈りを聞いてくれるのならば。
力をください。
僕に力を。
あの人の守る世界ごと、僕が守ることができるように力をください。
命ないこの身であればこそ、永劫に倦むことなくその勤めを果たすことができるでしょうから。
僕の心がくじけたならば、この身体ごと世界も燃やし尽くすほどに、強く、強くあれるよう。
永劫の枷と軛を僕にください。